『習字』と『書道』は違うものだって知っていましたか?
実は私も書道を習い始めるまでハッキリとはわかっていませんでした😅
人によって解釈が違いますが、私なりの解釈を簡単にお伝えします。
(ここでは習字・書写・かきかたをほぼ同じ意味に定義します)
習字とは?
習字は国語科です。小中学校だと書写の授業ですね。
「これが正しい」とされるゴール(お手本)があって、正しい書き順と美しい形の再現を学び、字そのものを学ぶ・整った字を身に着けるのが主目的です。
「字がキレイに書けるようになりた~い!」と思ったら、習字から入ると目的に近いと思います。
書道とは?
書道は美術科です。高校からは美術科の書道の授業になりますね。
筆と紙と墨を用いて表現する芸術の世界で、お手本とするものはありながらも、正解や明確なゴールはありません。
二千年~数百年前に書かれた『古典・古筆』をお手本に、真似をしてソックリに書くのが練習の基本です(臨書といいます)。教科書の字とは全然違うからビックリするかも……。
習字と書道は別モノなの?
私の解釈としては、方向性は違うけど根っこに共通点があるモノという認識です。
たとえば、『ガーデニング』と『菜園作り』は目的は全然違いますが、土づくりや肥料や水やりなど、共通点がたくさんありますよね。そしてどちらから入っても応用が利くし、時間と場所が許せば両立も可能です。
習字と書道もそれらと同じく、ベクトルは違えど共通点はたくさんありますし、応用が利くものだと思います。
習字と書道のイメージを宇宙にたとえると…
なんだか壮大な話になってしまいますが、まぁ聞いてくださいな😆
小学生の『習字』は「地球上の勉強をしている」と思ってみてください。
歴史、地理、気候などなど……私たちが暮らしている日本や地球上のことを知るのは、毎日の生活に密着していて、生きていくために直接役立つ身近な知識です。
中学生の『習字』になるともう少し範囲が広がって『太陽系』に目を向けるようになります。
どうして季節があるの? どうして一年は365日なの? どうしてうるう年があるの? どうして太陽も月も東から上って西に沈むの? などなど……太陽系に目を向けると、地球に関する学びがもっと深まっていきます。
小学生の基礎に対する応用ですね。このあたりまでは誰でも知っておいたほうが良いですよね。
(ちなみに金星の太陽は西から上って東に沈みます!)
さあ、高校になると『書道』です。太陽系の外……つまり『宇宙』に飛び出しましょう!
そこはもう、果てしない世界。今までの常識が通用しない、見たこともないものや聞いたこともないことだらけ。膨大な資料や知識の海であっぷあっぷ、一生かかったってすべて学びつくせるものではありません。
ある程度の基礎を学んだら、自分のやりたい分野をしぼって研究していく……という学び方になっていくかと思います。
このあたりはもう、日常生活には直接的に関係なくなってきます。絵画や音楽などと同様に、人生に深みを持たせてくれるものです。
習字の後(または上)に書道があるの?
いえいえ、そうではないんです。
このあたり誤解してる方もいらっしゃるようなのですが……。
先ほども書いた通り、方向性が違うというのが一番大きいです。
小→中→高……とステップアップしていくにつれて習字→書道となるので、習字の後(または上)のステップとして書道があると思われがちなのですが、あくまでもこれは学校教育の都合です。
先ほどのたとえをまた出してみますと、地球→太陽系→宇宙の基礎中の基礎……と学んだあとの進路は分かれ道になっているとも考えられます。
「地球の学びをもっと深く掘り下げる」……たとえば深海や地殻変動や超古代の地球史など、まだまだ未知の分野はたくさんあります。
習字も同様に、小中学校の学びだけでは語り切れないほど奥が深い世界です。手紙や封筒の表書きなどのいわゆる『実用書』、宛名書きや賞状書きなどの『筆耕』も習字の仲間と言えるでしょう。
とにかく完璧なバランスの整然とした字を追求していくという道もアリなんです。
「壮大な宇宙へ飛び出していく」……未知の世界、多様性の世界です。今までの常識が180度ひっくり返っちゃうこともあります。
書の道はもう本当に先も見えないし全体像をつかむことすら難しいくらい広く深い世界です。まずは基礎と言われている古典をざっとさらってみて、自分が興味を持つ分野があったら、そこへ突き進んでいけば良いと思います。
壮大な冒険を一生楽しみたいなら、書道の世界へ。
そう、何度も言いますけど方向性が全然違うんですよ。
どっちのほうがいいとか、どっちのほうが上とか、そういうのは無いと私は認識しています。
どなたもご自身が志す方向に一生懸命だから、時には他の道を行く人を理解できなかったりもあるみたいなのですが……😅
どっちを目指したらいいの?
結論としては「好きなほうをやったらいい」です。
どちらが合うか、どちらに興味を持つかは人それぞれなので……。
書くことが楽しいならどっちだってイイじゃ~ん!って思ってます😁
(私はどちらも好きなので、毛筆の書道を師匠に習いつつ、ペン習字と筆耕も通信講座でお勉強しています)
ただ、方向性がそもそも違うものなので、できれば通う教室は目指すものによって選んだほうが良いと思います。
途中で転向もアリですけど、回り道ももったいないですしね。
将来的に習字を突き詰めたいなら、大人向け習字もある習字教室に。
書道に進みたいなら、子ども部がある書道教室に。
なお、瑛扇書道会のこども習字教室は書道寄りです。
そのうち高校書道、いずれは大人の書道も見られるように、鋭意修行中でございます🙇♀️
(中学卒業後も本格的に書道に突き進みたい!という生徒さんは、私の修行が追い付くまで私の師匠の教室へご紹介します)
「いやいや、習字教室って書いてるやん!書道寄りなん!?」
というお声が聞こえてきそう……😅
そうなんです、教室の名前っていろいろでして。名前で判断するのはけっこう難しいと思います。
一口に『書道』と言っても『教育書道』と『芸術書道』は別モノらしいですし……ホラ、また新しい言葉が出て来た~😂(このへんは複雑すぎて私もまだよくわかっていません💦)。
うちの場合は、根っこは書道寄りでも実際に小中学生に教える内容は習字ですし、「子どもは習字、大人は書道」と思っている保護者の方も多いので、伝わりやすいように『こども習字教室』としています。
習字/書道教室選びのポイント
教室選びの際はまずは体験に行ってみて、先生の作品を見せて頂いたり、教室で使われている競書本(書道団体が発行している冊子)を見せて頂くと良いですよ👍
競書本が習字系なら習字教室、芸術書道系なら書道教室だと思って良さそうです。教育書道系はおそらく会派によって「教育書道の中でも特に習字寄り」とか「ちょっと芸術書道寄り」とかグラデーションがあると思うので、競書本をじっくり見て判断したほうが良いと思います。
(ちなみにうちは芸術書道系の『一東』でお勉強させて頂いております)
いずれにせよ体験はいろいろ行ってみてくださいね。
教育方針はもちろん大事ですが、先生とのフィーリングもめちゃくちゃ大事です!!
特に子どもさんは先生と合わないとツライですよ🥲
みんなが自分に合った教室&先生に出会って、みんなが書くのを楽しんでくれるように願ってます🥰