先日「ぼくちって何?すずりと違うの?」「子どもの習字セットにはどれを用意したらいいの?」と質問を受けたので、ブログにも書いておきますね👍
墨池 … 墨液を溜めて使うもの(素材はプラスチックや磁器、陶器など)
硯 … 墨を磨って使うもの(素材は石。プラや陶磁器もあるけど……)
身も蓋もなくザックリ説明すると、こういう違いがあります。
私が子どもの頃の習字セットは石製の硯が入ってました。これが重いんですよね~😅
今の習字セットにはプラスチックまたはセラミックの『ぼくちすずり』が入っていることが多いようで、ずいぶん軽くて持ち運びやすくなってます👍
ここで注意したいのは、プラスチックやセラミックの『ぼくちすずり』は、墨池であって硯としてはまず使えない‼️ということ。
これはそういう製品に対して意地悪言いたいわけじゃなくて、本当にプラスチックやセラミックだとちゃんと墨が磨れないんです💦
石の硯は平べったい部分(陸)に目に見えないくらい細か~い凹凸(鋒鋩)があって、それをヤスリのように使って固形墨を磨っていきます。
この凹凸が細かくて高品質であればあるほど、墨が小さな小さな粒子になっていくわけです。
逆に凹凸がツルツルだったり柔らかい素材だと、墨が磨れません⤵️
凹凸が荒いと墨の粒子も荒くなって、紙に書いた時にうまく広がらなかったり、プツプツ……と変な点が出ちゃったりするのです。
だから、固形墨を磨って使うなら、石の硯が必須!
じゃあ、墨池って何に使うの? と言いますと、最初にご説明した通り、墨液を溜めて使います。
↓現役で使ってる墨池なので汚れててゴメンナサイ😂
墨池の特徴は、筆をしごくための突起や段差があることですね。
筆に墨液をたっぷりつけて、余分を突起でしごいて落として使います。
(石製の硯の陸で筆先をしごくのやりがちなんですけど、鋒鋩で筆先を傷めちゃうからやめましょうね💦硯の場合はフチで余分な墨を落とします)
従来の墨池といえば、写真の上2つのようにフタがあるものが一般的です。
墨液を溜めて使いつつ、休む時は墨液を入れたままフタをして置いておきます。
私はほぼ毎日何かしら書くので、墨液がなくなったら継ぎ足して使いつつ、涼しい季節は週1回くらい綺麗に洗っています(夏場は墨液が傷みやすくて2日に1回くらい)。
『ぼくちすずり』(両面硯という商品名のことも)は、要は『硯型の墨池』と言って良いかと思います。
学校の授業で墨液を使うだけなら、100均のプラスチック製のぼくちすずりで十分です👍
軽くてリーズナブルで最強。ただ、軽すぎてすぐ動いちゃうので、何かしら滑り止めになるものを敷いておいたほうが良いです。
書き初めなど墨液をたっぷり使う時は、深めの墨池があると便利です。左上のようなプラスチック製のものならAmazonで数百円で買えます。呉竹 雲月硯(Amazon)
ちなみに私は書道を習い始めたころ……100均のお漬物などを入れるようなフタ付きの器を使ってました!
本体は磁器でそれなりの重さがあるので安定して使えましたよ👍
使いやすくて実はけっこうオススメです✨
内側に筆をしごくところが無くてフチでしごくから、下に反故紙を敷いておかないと、テーブルが墨だらけになりますが😂
墨を磨りたい場合は石の硯を用意しましょう。
石の硯は品質もお値段もピンキリ!
美術品としての価値が上乗せされているものもあるので、高価=高品質というわけでもなくて、こだわり始めると沼にズブズブ……な世界です😅
私はソコソコお手頃でソコソコ使いやすければいいや~という感じで、細羅紋硯と雨畑硯を使っています。羅紋は新品でも数百円~、雨畑はブランド硯ですがメルカリで新古品がお安く出てました👍
大きさもいろいろ!↓は真ん中がよくある習字セットに入っているサイズ。右はかな書道や写経に使われるような手のひらサイズ。左はめちゃくちゃ重たい大硯です。
基本的にこども習字の場合、書く紙のサイズに合わせて硯のサイズを選ぶと良いです。
半紙に書く場合は習字セットに入っている四五平サイズがちょうどいいと思います😉
ちなみに大硯は半切(約35×136cm)に14字、隷書を書くために使っています。
墨をたっぷり使うので、四五平の硯だと1~2枚書くごとに磨りなおさないといけなくて😂大硯で一気にたくさん磨って、続けて何枚も書いています。
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